んだね。母さんが取り合うまいと言うのかね。それはそうだろう。そうあってほしいと思うよ。いや、そうあらねばならん。しかし……。
昌允 しかし?
鉄風 しかし……(気を換えて)お前の質問に俺が答えなければならんと言うわけはないだろう。「しかし」は「しかし」だ……。今んなって俺は、嫉妬を感じなきゃならんのかね、この俺が。これはやり切れない。我慢のならんことだ。そう言えば、先刻、俺が降りて来た時、諏訪は何時《いつ》に無く陽気ではしゃいでいた様だ……。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] お父さん! お父さん! それは非道《ひど》いわ。あんまりだわ。妾の母さんは……。
鉄風 美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]。俺は、誰も疑やしない。誰にだって謂《い》われのない疑なんか掛けやしない。だがまあ、考えてみてくれ、須貝は未納と一番仲良しにしていながら、一方では諏訪に言い寄っている。かと思うとお前と結婚したいという。(二階へ上って行く)疑いというのは、こう言うんじゃァないよ。俺達の習慣では、こう言うことは奇怪だと言う。重ねて言うが、俺はお前達の母さんを疑ってなんかいやしない
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