り]
昌允 どうしたんです。
鉄風 どうもしやしないさ、別に……。
未納 ほんと、その話。
昌允 ほんとだろう、自分で、そ言ってる以上は。
未納 あーあ。やっぱり、妾、どうしても駄目なんだわ。やっと喜びかけると、又ペシャンコだ。
昌允 お前と俺とは、どうやら揃いの籤《くじ》を掴んでいるようだな。いくら兄妹だと言って、あんまり有難くない一対だよ。
未納 ほんとだわ。妾が、お兄さんに似ているのかしら、お兄さんの方が妾に似ているのかしら……。
鉄風 どうも、話の筋道がわからんね。
諏訪 妾には、尚更、わからないわ。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] (自信なく)厭だわ……妾……そう言うこと……。
昌允 どうしてさ。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] どうしてでも……。
未納 お姉さんは、昌允さんが好きになっちゃったもんだから……。
鉄風 (苦しい咳払い)このことは……全然問題を含まないというわけじゃァないが……事実を有りの儘に言うとそのとおりなんだ。
昌允 どう言うことです、それは。少々手遅れみたような話だが……よくわからない。
未納 お兄さんの、気持やな
前へ 次へ
全102ページ中71ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
森本 薫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング