お言いにならなかったの。
鉄風 だって、一体何う言ったらいいんだい?
未納 厭だわ、お父さん。
鉄風 俺だって厭だよ、だが、向うでも何か言うことがあると言ってる。
諏訪 あなたが思わせ振りをなさるからよ。
鉄風 それだけのものかな。
諏訪 そんなことわからないわ、須貝さんに訊いてみなきゃ。
昌允 僕は知っていますよ、その話は。
鉄風 ふむ。お前には前以《まえも》って話しているのか。
昌允 前以ってと言うわけじゃないでしょう。今の先、道の端で立話に聴いたばかりですよ。
諏訪 何のこと。
昌允 自分で言うと言ってるじゃないですか。
未納 何? 聞きたいじゃないの、だって……。
昌允 言ってもいいさ。だが、お前は聞かない方がいいぞ。
未納 あら、どうして……。
昌允 お前のがっかりする話だ。お前にも俺にも、あんまり嬉しくない話だ。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] お兄さん、何言ってるの。おかしな話ね。
昌允 美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]さん、須貝さんは君と結婚したいと言ってるんだが……。
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一同に軽い動揺。
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