鉄風 君が、困るわけは、ないと思うがねえ。須貝は未納じゃ、不足だと……でも……。
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美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]、一寸堅くなる。
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諏訪 そうじゃないの、そうじゃァないんですよ。困ったわね、何う言ったらいいかしら、ただもう、ぼんやり、結婚は厭だって言うの、あの人。
鉄風 ぼんやり厭だって言うと……。
諏訪 厭なことは、はっきりしてるのよ。
鉄風 じゃァ、何だい、そのぼんやりしてるのは……
諏訪 それはね。(荒っぽく)妾にだってわからないわ。そんなに将棋の詰めてみたいに言われたって返答出来ないじゃありませんか。
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鉄風、ぽかんとしている。
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諏訪 (はっとして、美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]に)言って頂戴、正直によ。胡魔化しちゃ厭よ。美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]さん、美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]さん。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] 痛いわ、母さん。
諏訪 あなたの好きな人って、須貝さんじ
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