貝 さっきから、此処《ここ》でさんざんふざけちらしてたものだから……。
昌允 彼奴《あいつ》は、悪ふざけをするんで……美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11]さん、俺、喉が渇いてるんだ、済まないが、あれ……ほら(云えない)
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] (立上る)ええ、わかってよ。でも……いいの?
昌允 大丈夫さ。須貝さん?
須貝 いいですね。
昌允 オレンヂ、がいいや。あるかな……。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] あったと思うわ。(行きかかる)
昌允 シェーカーは俺の部屋だよ、ああ、此処へ持って来るといい、俺がこしらおう。
美※[#「にんべん+予」、第3水準1−14−11] ええ、直ぐ。妾だって、出来ることは出来てよ。(去る)
昌允 何時から、仕事におかかりになるんです。
須貝 明日から、やるつもりです。(煙草のケースを取り出して)どうです。
昌允 え、有難う。(つまむ)すると、明日は、此の家では変ったことが二つあるわけですね。
須貝 (火を磨《す》ってやりながら)そうなりますね。僕は、始めにステージの仕事を片づけて、後でロケの方
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