宗※[#「彳+扁」、第3水準1−84−34]の許《ところ》から、来《きた》る十四日いよいよ上野介の自邸において納めの茶会が催《もよお》される、その後は年内に白金の上杉家の別墅《べっしょ》へ移られるはずだということまで聞きだしてきた。こうなればもう猶予《ゆうよ》はできない。それに十四日は先君《せんくん》の御命日でもあるから、その日を期して決行しようと、即座に一決して、頭領大石内蔵助からそれぞれ一党に通達《つうだつ》された。
小平太はまた黙りこんでしまった。何だか非常に遠い所にあるように思っていた黒雲が、きゅうに目の前へ覆《おお》い被《かぶ》さってきたのである。が、安兵衛も勘平も冷静にその通告を受けて、もうするだけの用意はしてしまった、いつでも来いと言わんばかりに落着きすましている。二人の前へ対しても、小平太は自分の落着きのないのが恥ずかしかった。どうかしてそれを覚られないように落着いていようと思うけれど、二人と顔を合せていると、何となく心の底まで見透されるような気がしてたまらない。それでも、その明くる日いっぱいは、じっと辛抱して宿に残っていた。が、夕方になると、もうたまらなくなって、兄
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