糺明《きゅうめい》してやろうと、今日出たついでに、そちらへ廻ってみた。なに、天神下の湯女の宿は三軒しかないからすぐ分ったがね。だが、行ってみて驚いたよ。庄左衛門の相手の女というのも、昨夜から姿を見せないというので、向うでも大騒ぎをしているのだ。てっきり二人|諜《しめ》し合せて駈落《かけおち》をしたものに相違ないね。こうなると、どこまで下司にできているか方途《ほうず》が知れない。俺もよけいな暇潰《ひまつぶ》しをしたようなものの、そんな奴かと思ったら、やっと諦めがついたよ」
「そうか!」と言ったまま、小平太は何とも返辞ができなかった。ただもう自分が糺明を受けているような気がして、胸は早鐘《はやがね》を撞《つ》くように動悸《どうき》を打った。
「だが、女のために大儀を衍《あやま》る」と、勘平はまたごろりと横になりながら言った。「考えてみると、気の毒なものじゃね。こうしてだんだん籾《もみ》と糠《ぬか》とが撰《え》り分けられるんだよ」
「そうだ、籾と糠とが撰り分けられるのだ」と、小平太はようようそれだけ言った。
勘平は言うだけ言うと気が納まったか、そのまますやすやと寝入りかけた。が、小平太はそ
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