因果じゃと言わんしたが、ほんに思えば、因果同志の寄合でござんすぞえ」と、しんみりと言いだした。「どんな男でも良人に持てば、わたしはお前の女房じゃ。お前が卑怯なら、わたしも卑怯、お前が臆病者なら、わたしも臆病者でござんす。女一人で身は立てられぬ。たとい世間で笑われようが、どうしょうが、わたしはどこまでもお前に随《つ》いて行く……行きますわいなあ」
二人はいつかいっしょに固く手を取合っていた。
「わたしはそういう気じゃほどに、かならず短気な心を出したり、悒々《くよくよ》してわずらわぬようにしてくださんせ。なに、お江戸ばかりに日は照りませぬ。もし世間の笑いものになって、ここで生きて行かれぬというなら、唐《から》天竺《てんじく》の果《はて》までも、いっしょに行く気でおりますわいな」
「よう言うてくれた、よう言うてくれた!」
小平太は握《にぎ》った女の手の甲の上に、はらはらと涙を落した。
「それでもまだ笑う者があったら、是非《ぜひ》がない、二人でいっしょに笑われましょう。どこまでも一人の男を守るのが女の道でござんすぞえ」
× × × ×
二人はなお夜を籠《こ》めて語り
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