義神社に導きました。社殿は高い石段の上にそびえていて、小さい日光《にっこう》とも云うべき建物です。こういう場所には必ずあるべきはずの杉の大樹が、天と地とを繋ぎ合せるように高く高く生い茂って、社前にぬかずく参拝者の頭《こうべ》の上をこんもりと暗くしています。私たちはその暗い木の下蔭をたどって、山の頂きへと急ぎました。
 杉の林は尽きて、さらに雑木《ぞうき》の林となりました。路のはたには秋の花が咲き乱れて、芒《すすき》の青い葉は旅人《たびびと》の袖にからんで引き止めようとします。どこやらでは鶯《うぐいす》が鳴いています。相も変らぬ爪さき上がりに少しく倦《う》んで来たわたしは、小さい岩に腰を下ろして巻煙草をすいはじめました。霧が深いのでマッチがすぐに消えます。案内者も立ち停まって同じく煙管《きせる》を取り出しました。
 案内者は正直そうな男で、煙草のけむりを吹く合い間にいろいろの話をして聞かせました。妙義登山者は年々|殖《ふ》える方であるが暑中は比較的にすくない、一年じゅうで最も登山者の多いのは十月の紅葉の時節で、一日に二百人以上も登ることがある。しかし昔にくらべると、妙義の町はたいそう衰え
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