言い出した。八橋さんからたよりがあったかなどとも訊いた。
 兄の返事がなんだかあいまいなので、お光は少し疑うような眼色を見せた。
「この頃もやっぱり八橋さんのところへお出でにならないのですか」
「むむ。行こうとは思っているが……。行ってもおもしろくないから」
「面白づくばかりでなく、時どきは行ってあげて下さい。このあいだの手紙にも、兄さまを是非よこしてくれとくれぐれも書いてございました。このお正月のこともみんな八橋さんのお庇《かげ》で無事に済んだのでございます。どうかしてお礼をしたいと思っておりますけれども、今のわたくしの力ではどうにもなりません。せめて兄さまにお願い申して……」と、なんにも知らないお光は頼むように言った。
 あんなに世話になって置きながら、それぎりに顔出しをしないでは、義理知らずだと思われるのも心苦しいとも言った。
「そのうちに一度行こうよ」と、栄之丞も妹の気休めにまずこう言っておいた。
「では、ぜひ近いうちに……。いずれ又お話を伺いに出ますから……」
 お光は余り遅くならないうちにと、言うだけのことをいってすぐに帰った。
 さっきから日向《ひなた》に立っていたので、
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