は歯医師であるとか、あるいは時計屋であるとか、甚だしいのはおれが半七であると自称している人もあるそうですが、それは恐く同名異人で、わたしの捕物帳の半七老人とは全然無関係であることを断っておきます。
 前にもいった通り、捕物帳が初めて『文芸倶楽部』に掲載されたのは大正六年の一月で、今から振返ると十年あまりになります。その『文芸倶楽部』の誌上に思い出話を書くにつけて、今更のように月日の早いのに驚かされます。



底本:「岡本綺堂随筆集」岩波文庫、岩波書店
   2007(平成19)年10月16日第1刷発行
   2008(平成20)年5月23日第4刷発行
底本の親本:「文芸倶楽部」
   1927(昭和2)年8月号
初出:「文芸倶楽部」
   1927(昭和2)年8月号
入力:川山隆
校正:noriko saito
2008年10月24日作成
青空文庫作成ファイル:
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