》らされているようにも感じた。
 予想以上に帰りが遅かったので、瓜生の父も母もやや心配していたが、無事に戻って来た我が子の顔をみて、まず安心した。長三郎はきょうの探索の結果を報告して、どこにも姉の立ち廻ったらしい形跡のないことを説明すると、父の顔色は陰《くも》った。
「不孝者め。困った奴だ。あしたは非番《ひばん》だから、おれも探しに出よう。まだほかにも心あたりはある」
 長三郎はお冬に出逢ったことを報告すると、長八の眉はまた皺《しわ》められた。
「してみると、お冬という女はお北のゆくえを知っているのか。おれも最初から火の番のことが気にかかっていたのだが、やはり何かの係り合いがあると見えるな。それにしても黒沼幸之助が佐藤孫四郎殿の屋敷に忍んでいるとはいいことを聞き出した。どういう訳があるか知らないが、本人をいったん隠まった以上、ひと通りの掛け合いでは素直に本人を渡すまい。存ぜぬ知らぬとシラを切るに相違ないから、なんとか手だてをめぐらして、無事に幸之助を受け取る工夫《くふう》をしなければなるまい。それまでは誰にも他言するなよ」
 吉五郎に関する報告を聞いて、長八はまた云った。
「三河町の吉
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