云っては面倒だと思って、大吉も一緒になって幽霊の噂をひろめていると、又その最中に笊屋の女房が変死をする。これはお由を殺した蝮が関口屋の裏手へ逃げ出して、そこらを這い廻っていたのか、それとも別に訳があるのか、その頃の医者にはよく判らないので、いろいろの噂も立つことになるんです。そこへ又、関口屋のコロリ騒ぎ、それからそれへとよくも変事の続いたものですが、女房と小僧のコロリは誰の仕業でもなく、これは自然の災難で仕方がありません。
 大吉は煙草屋であり、殊に関口屋へも出入りをしているので、次右衛門とも心安くしている。その関係から年造も大吉に連れられて行って、次右衛門と知り合いになっていました。しかし湯島の人殺しと関口屋の一件とは全く別問題で、湯島の方は年造と大吉の二人、関口屋の方は、次右衛門とお由と大吉の三人、それぞれに役割りが違っているわけで、双方掛け持ちは大吉だけです。上方生まれの男娼揚がりなどというものは、忌《いや》にねちねちしていて、肚《はら》のよくないのが往々ありました」
「大吉と年造と共謀で、次右衛門を殺したんですか」
「お由が死んでしまって、かむろ蛇の一件は失敗しましたが、次右衛
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