中国怪奇小説集
閲微草堂筆記(清)
岡本綺堂

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)観奕道人《かんえきどうじん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一朝一|夕《せき》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「日+均のつくり」、第3水準1−85−12]
−−

 第十五の男は語る。
「わたくしは最後に『閲微草堂筆記』を受持つことになりましたが、これは前の『子不語』にまさる大物で、作者は観奕道人《かんえきどうじん》と署名してありますが、実は清《しん》の紀※[#「日+均のつくり」、第3水準1−85−12]《きいん》であります。紀※[#「日+均のつくり」、第3水準1−85−12]は号を暁嵐《ぎょうらん》といい、乾隆《けんりゅう》時代の進士《しんし》で、協弁大学士に進み、官選の四庫全書を作る時には編集総裁に挙げられ、学者として、詩人として知られて居ります。死して文達公と諡《おくりな》されましたので、普通に紀文達とも申します。
 この著作は一度に脱
次へ
全29ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
岡本 綺堂 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング