中国怪奇小説集
宣室志(唐)
岡本綺堂

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)唐《とう》の

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)張|文成《ぶんせい》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「赤+おおざと」、第3水準1−92−70]居士《かくこじ》
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 第四の男は語る。
「わたくしは『宣室志』のお話をいたします。この作者は唐《とう》の張読《ちょうどく》であります。張は字《あざな》を聖朋《せいほう》といい、年十九にして進士《しんし》に登第《とうだい》したという俊才で、官は尚書左丞《しょうしょさじょう》にまで登りました。祖父の張薦《ちょうせん》も有名の人物で、張薦はかの『遊仙窟《ゆうせんくつ》』や『朝野僉載《ちょうやせんさい》』を書いた張|文成《ぶんせい》の孫にあたるように聞いて居ります。
 この書も早く渡来しましたので、わが国の小説や伝説に少なからざる影響をあたえているようでございます」

   七聖画

 唐の長安《ちょうあん》の雲花
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