う》まで行くと、一尾の魚が船中に飛び込んだ。その腹を割くと、かの刀があらわれた。
木像の弓矢
孫恩《そんおん》が乱を起したときに、呉興《ごこう》の地方は大いに乱れた。なんのためか、ひとりの男が蒋侯《しょうこう》の廟《びょう》に突入した。蒋子文《しょうしぶん》は広陵《こうりょう》の人で、三国の呉《ご》の始めから、神としてここに祀られているのである。
蒋侯の木像は弓矢をたずさえていたが、その弓を絞って飄《ひょう》と射ると、男は矢にあたって死んだ。往来の者も、廟を守る者も、皆それを目撃したという。
底本:「中国怪奇小説集」光文社
1994(平成6)年4月20日第1刷発行
※校正には、1999(平成11)年11月5日3刷を使用しました。
入力:tatsuki
校正:もりみつじゅんじ
2003年7月31日作成
2003年9月29日修正
青空文庫作成ファイル:
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