くえは遂に相分り申さず、さりとて家出するような子細も無之、唯々不思議と申すのほか無御座候。万一かの捨松の二代目にもやと龍馬の池の水中捜索をこころみ候えども、これも無効に終り申候。
ここにまた、不思議に存じられ候は、当日小生が撮影五枚のうち、一枚には少年のすがた朦朧とあらわれおり候ことに御座候。それは影のように薄く、もちろんはっきりと相分り兼ね候えども、それがどうも昌吉の姿らしくも思われ申候。
貴下御撮影の分はいかが、現像の結果御しらせ下され候わば幸甚《こうじん》に存じ候。
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まずこんな意味であったので、わたしも取りあえず自分の撮影した分を現像してみましたが、どこにも人の影らしいものなどは見いだされませんでした。横田君の写真にはどういう影があらわれているのか、その実物を見ないのでよく判りません。
底本:「影を踏まれた女 岡本綺堂怪談集」光文社時代小説文庫、光文社
1988(昭和63)年10月20日初版第1刷発行
初出:青蛙神「苦楽」1924(大正13)年12月
利根の渡「苦楽」1925(大正14)年2月
兄妹の魂、不詳
猿の眼「
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