だか一種の因縁があるように感じられましたが、昌吉はまったく利口な人間で、途中でも油断なく我れわれの世話をしてくれました。
 午《ひる》に近い頃に目的地へゆき着きましたが、横田君の話で想像していたのとは余ほど違っていて、なるほど大木もありますが、昼でも薄暗いというような幽暗な場所ではなく、むしろ見晴らしのいい、明るい気分のところでした。
「また伐ったな。」と、横田君はひとりごとのように言いました。近来しきりにこの辺の樹木を伐り出すので、だんだんに周囲が明るくなって、むかしの神秘的な気分が著しく薄れて来たとのことでした。どこでも同じことで、これはやむを得ないでしょう。しかし龍神の社の跡だというところは、人よりも高い雑草にうずめられて、容易に踏み込めそうもありませんでした。
 三人は池のほとりの大樹の下に一と休みして、それから昌吉が尽力して午飯《ひるめし》の支度にかかりました。横田君はいろいろの準備をして来たとみえて、バスケットの中から湯沸《ゆわか》しを取出して、ここで湯を沸かして茶をこしらえるというわけです。朝から晴れた大空は藍色に高く澄んで、そよとの風もありません。梢の大きい枯葉が時どき
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