なったように聞いている。
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   龍馬《りゅうめ》の池《いけ》

     一

 第十二の男は語る。

 わたしは写真道楽で――といっても、下手の横好きのお仲間なのですが、ともかく道楽となると、東京市内や近郊でばかりパチリパチリやっているのではどうしても満足が出来ないので、忙しい仕事の暇をぬすんで各地方を随分めぐり歩きました。そのあいだにはいろいろの失策談や冒険談もあるのですが、今夜の話題にふさわしいお話というのは、今から四年ほど前の秋、福島県の方面へ写真旅行を企てたときの事です。
 そのときに自分ひとりで出かけたのですが、白河《しらかわ》の町には横田君という人がいる。わたしは初対面の人ですが、友人のE君は前からその人を知っていて、白河へ行ったならば是非たずねてみろと言って、丁寧な紹介状を書いてくれたので、わたしは帰り路にそこを訪ねると、横田君の家は土地でも旧家らしい呉服屋で、商売もなかなか手広くやっているらしい。わたしの紹介された人はそこの若主人で、これも写真道楽の一人ですから、初対面のわたしを非常に歓待してくれまして、別棟になっている奥座敷へ泊めていろいろの御馳走
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