世界怪談名作集
上床
クラウフォード Francis Marion Crawford
岡本綺堂訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)葉巻《シガー》を
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)造兵|廠《しょう》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「鼻+嗅のつくり」、第4水準2−94−73]《か》ぎながら、
−−
一
誰かが葉巻《シガー》を注文した時分には、もう長いあいだ私たちは話し合っていたので、おたがいに倦《あ》きかかっていた。煙草のけむりは厚い窓掛けに喰い入って、重くなった頭にはアルコールが廻っていた。もし誰かが睡気をさまさせるようなことをしない限りは、自然の結果として、来客のわれわれは急いで自分たちの部屋へかえって、おそらく寝てしまったに相違なかった。
誰もがあっ[#「あっ」に傍点]と言わせるようなことを言わないのは、誰もあっ[#「あっ」に傍点]と言わせるような話の種を持っていないということになる。そのうち
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