世界怪談名作集
序/目次
岡本綺堂編訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)已《や》む得ない
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序
外国にも怪談は非常に多い。古今の作家、大抵は怪談を書いている。そのうちから最も優れたるものを選ぶというのはすこぶる困難な仕事であるので、ここでは世すでに定評ある名家の作品のみを紹介することにした。したがって、その多数がクラシックに傾いたのはまことに已《や》む得ない結果であると思ってもらいたい。
怪談と言っても、いわゆる幽霊物語《ゴースト・ストーリー》ばかりでは単調に陥る嫌いがあるので、たとい幽霊は出現しないでも、その事実の怪奇なるものは採録することにした。たとえば、ホーソーンの作には「ドクトル・ハリスの幽霊」があるにもかかわらず、ここには「ラッパチーニの娘」を採録した類である。ストックトンの「幽霊の移転」のような、ユーモラスの物を加えたのも、やはり単調を救うの意にほかならない。
アンドレーフの作のごときはすこぶる芸術味の豊かなもので、大衆向きにはどうあろう
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