急にこぐらかって来た。
 その翌年が日清戦争だ。梶井の父は軍需品の売込みか何かに関係して、よほど儲けたという噂であったが、戦争後の事業勃興熱に浮かされて、いろいろの事業に手を出したところが、どれもこれも運が悪く、とうとう自分の地所も人手にわたして、気の毒な姿でどこへか立去ってしまいました。



底本:「影を踏まれた女」光文社文庫、光文社
   1988(昭和63)年10月20日初版1刷発行
   2001(平成13)年9月5日3刷
初出:「写真報知」
   1924(大正13)年10月
入力:門田裕志、小林繁雄
校正:hongming
2006年1月13日作成
青空文庫作成ファイル:
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