えば、余の人びとは手の裏をかえしたようにこちらの味方になるのは見え透いている。なにも仰々しく誅伐の誅戮のと騒ぎ立てるには及ばないのであると、彼女は事もなげに説き明かした。
「就きましては、かの采女《うねめ》に召されますること、いかがでござりましょうか」
「その儀ならば懸念すな。今度こそはかならず成就じゃ」と、忠通は得意らしい笑みを洩らした。
先度は頼長や信西の故障に出遇《であ》って、結局はうやむやのうちに葬られたのであるが、今度はそうはならない。玉藻が雨乞いの奇特をあらわしたことは雲の上までもきこえ渡っている筈である。その玉藻を推薦するのになんの故障があろう。たとい彼らがあくまでも強情を張ったところで、その理屈はもう通らない。彼らの理屈を蹴散らすだけの立派な理屈がこちらにもある。頼もしくもない味方を無理に駆り集めて、頼長らをほろぼそうとあせり狂うよりも、一人の玉藻を采女にすすめて、その力で敵を押したおす方が安全で且《か》つ有効であるらしいと、忠通もまた思い返した。
「予が受け合うた。大納言など頼んでいては埒があかぬ。近日のうちに、忠通が病気を押して昇殿する。とこうの故障を申し立つる者
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