星の赤いなかに、その星一つは優れて大きく金色《こんじき》に輝いていた。それは北斗七星というのであろうと小雪は思った。
 女はその星をしばらく拝していたが、やがて向きを変えて池の汀にひざまずいた。彼女は左の手で長い袂をおさえながら、夜目にも白い右の手をのばして池の玉藻をすくっているらしかった。好奇心はいよいよ募って、女の童は息もせずに見つめていると、女はやがてその青い藻を手の上にすくいあげて、しずくも払わずに自分の頭の上に押し頂いた。
 藻をかつぐのは狐である――こういう言い伝えを彼女は知っていたので、小雪は俄に怖ろしくなった。すくんだ足を引き摺りながらそっと引っ返そうとした時に、女のひかりは吹き消したように消えた。
「小雪か」と、暗いなかで女の涼しい声がきこえた。それは確かに玉藻の声であった。
 女の童はもうおびえて、声も出なかった。ただ身を固くしてそこにうずくまっていると、玉藻はするすると寄って来て、彼女の細い腕をつかんだ。
「おまえ見たか」
 女の童はやはり黙ってすくんでいた。
「隠さずに言や。なにを見た」
「なんにも……見ませぬ」
 彼女はふるえながら答えたが、もう遅かった。女の
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