魚妖
岡本綺堂
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)跳《はず》む
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一々|委《くは》しく
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)関※[#「さんずい+(廣−广)」、第3水準1−87−13]南
/\:二倍の踊り字(「く」を縱に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)なか/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
むかしから鰻の怪を説いたものは多い。これは彼の曲亭馬琴の筆記に拠つたもので、その話をして聴かせた人は決して嘘をつくやうな人物でないと、馬琴は保証してゐる。
その話はかうである。
上野の輪王寺宮に仕へてゐる儒者に、鈴木一郎といふ人があつた。名乗りは秀実、雅号は有年といつて、文学の素養もふかく、馬琴とも親しく交際してゐた。
天保三、壬辰年の十一月十三日の夜である。馬琴は知人の関※[#「さんずい+(廣−广)」、第3水準1−87−13]南の家にまねかれて晩餐の馳走になつた。有名な気むづかしい性質
次へ
全15ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
岡本 綺堂 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング