。それはかれの著作、「神代余波」のうちに斯ういふ一節があるのを見てもわかる。
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――かば焼もむかしは鰻の口より尾の方へ竹串を通して丸焼きにしたること、今の鯰このしろなどの魚田楽の如くにしたるよし聞き及べり。大江戸にては早くより天下無双の美味となりしは、水土よろしきゆゑに最上のうなぎ出来て、三大都会にすぐれたる調理人群居すれば、一天四海に比類あるべからず、われ六七歳のころより好み食ひて、八十歳までも無病なるはこの霊薬の効験にして、草根木皮のおよぶ所にあらず。
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底本:「日本の名随筆 別巻64 怪談」作品社
1996(平成8)年6月25日第1刷発行
底本の親本:「綺堂随筆」青蛙房
1956(昭和31)年7月
入力:土屋隆
校正:門田裕志
2006年3月20日作成
青空文庫作成ファイル:
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