蟹満寺縁起
岡本綺堂
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)漆間《うるま》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)※[#歌記号、1−3−28]|蛙《かえる》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#歌記号、1−3−28]
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登場人物
漆間《うるま》の翁《おきな》
嫗《うば》
娘
里の青年《わかもの》 (坂東三吉)
蟹
蛇
蛙
里のわらべなど
[#改ページ]
(一)
時代は昔、時候は夏、場所は山城国。久世郡《くぜのこおり》のさびしき村里。舞台の後方はすべて蓮池にて、花もひらき、葉も重なれり。池のほとりには柳の立木あり。
(男女の童《わらべ》三は唄い連れていず。)
唄※[#歌記号、1−3−28]|蛙《かえる》釣ろうか、蟹釣ろか、蓮をかぶった蛙を釣ろか、はさみを持った蟹釣ろか。
(三人は池にむかって手をたたきながら、一と調子はりあげて又唄う。)
唄※[#歌記号、1−3−28]蛙釣ろか、蟹釣ろか。水にとび込む蛙を釣ろ
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