病のもとと云いますがね。それから、ええと、も一つのご質問はあなたの命でしたかね。さよう、まあ長くても一万年は持ちません。お気の毒ですが一万年は持ちません。」
「あああ、さっきのホンブレンのやつの呪《のろ》いが利《き》いたんだ。」
「いや、いや。そんなことはない。けだし、風病にかかって土になることはけだしすべて吾人《ごじん》に免《まぬ》かれないことですから。けだし。」
「ああ、プラジョさん。どんな手あてをいたしたらよろしゅうございましょうか。」
「さあ、そう云う工合《ぐあい》に泣いているのは一番よろしくありません。からだをねじってあちこちのへきかいよび面にすきまをつくるのはなおさら、よろしくありません。その他風にあたれば病気のしょうけつを来《きた》します。日にあたれば病勢がつのります。霜《しも》にあたれば病勢が進みます。露《つゆ》にあたれば病状がこう進します。雪にあたれば症状が悪変します。じっとしているのはなおさらよろしくありません。それよりは、その、精神的に眼をつむって観念するのがいいでしょう、わがこの恐《おそ》れるところの死なるものは、そもそも何であるか、その本質はいかん、生死|巌頭
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