注文の多い料理店
宮沢賢治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)白熊《しろくま》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二|疋《ひき》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから4字下げ、横書き、中央揃え、罫囲み]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぴか/\する
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二人の若い紳士が、すつかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴか/\する鉄砲をかついで、白熊《しろくま》のやうな犬を二|疋《ひき》つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさ/\したとこを、こんなことを云《い》ひながら、あるいてをりました。
「ぜんたい、こゝらの山は怪《け》しからんね。鳥も獣も一疋も居やがらん。なんでも構はないから、早くタンタアーンと、やつて見たいもんだなあ。」
「鹿《しか》の黄いろな横つ腹なんぞに、二三発お見舞まうしたら、ずゐぶん痛快だらうねえ。くる/\まはつて、それからどたつと倒れるだらうねえ。」
それはだいぶの山奥でした。案内してきた専門の鉄砲打ちも、ちよつとまごついて、どこかへ行つてしまつたく
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