してもむだだ。」
「ああ、どうしてなんですか。ぼくはカムパネルラといつしよにまつすぐに行かうと云つたんです。」
「ああ、さうだ。みんながさう考へる。けれどもいつしよに行けない。そしてみんながカムパネルラだ。
 おまへがあふどんなひとでも、みんな何べんもおまへといつしよに苹果をたべたり汽車に乘つたりしたのだ。
 だからやつぱりおまへはさつき考へたやうに、あらゆるひとのいちばんの幸福をさがし、みんなと一しよに早くそこに行くがいい。そこでばかりおまへはほんたうにカムパネルラといつまでもいつしよに行けるのだ。」
「ああぼくはきつとさうします。ぼくはどうしてそれをもとめたらいいでせう。」
「ああわたくしもそれをもとめてゐる。おまへはおまへの切符をしつかりもつておいで。そして一しんに勉強しなけあいけない。おまへは化學をならつたらう。水は酸素と水素からできてゐるといふことを知つてゐる。いまはだれだつてそれを疑やしない。實驗して見るとほんたうにさうなんだから。
 けれども昔はそれを水銀と鹽でできてゐると云つたり、水銀と硫黄でできてゐると云つたりいろいろ議論したのだ。みんながめいめいじぶんの神さまがほん
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