ョバンニはまっすぐに走って丘《おか》をおりました。
 そしてポケットがたいへん重《おも》くカチカチ鳴るのに気がつきました。林の中でとまってそれをしらべてみましたら、あの緑《みどり》いろのさっき夢《ゆめ》の中で見たあやしい天の切符《きっぷ》の中に大きな二|枚《まい》の金貨《きんか》が包《つつ》んでありました。
「博士《はかせ》ありがとう、おっかさん。すぐ乳《ちち》をもって行きますよ」
 ジョバンニは叫《さけ》んでまた走りはじめました。何かいろいろのものが一ぺんにジョバンニの胸《むね》に集《あつ》まってなんとも言《い》えずかなしいような新しいような気がするのでした。
 琴《こと》の星がずうっと西の方へ移《うつ》ってそしてまた夢《ゆめ》のように足をのばしていました。

 ジョバンニは眼《め》をひらきました。もとの丘《おか》の草の中につかれてねむっていたのでした。胸《むね》はなんだかおかしく熱《ほて》り、頬《ほお》にはつめたい涙《なみだ》がながれていました。
 ジョバンニはばねのようにはね起《お》きました。町はすっかりさっきの通りに下でたくさんの灯《あかり》を綴《つづ》ってはいましたが、その光
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