のテジマアに
おれの妹をさらわれていた。
その奇術師のテジマアのところで
おれの妹はスタアになっていた。
いまではおれは勲章《くんしょう》が百ダアス
藁《わら》のオムレツももうたべあきた。
おれの裁断には地殻も服する
サンムトリさえ西瓜《すいか》のように割れたのだ。」
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さあ三十人の部下の判事と検事はすっかりつり込まれて一緒に立ち上がって、
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「ブラボオ、ペンネンネンネンネン・ネネム
ブラボオ、ペンペンペンペンペン・ペネム。」
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と叫びながら踊りはじめました。
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「フィーガロ、フィガロト、フィガロット。」
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クラレの花がきらきら光り、クラレの茎《くき》がパチンパチンと折れ、みんなの影法師はまるで戦のように乱れて動きました。向うではサンムトリが第三回の爆発をやっています。
「ガアン、ドロドロドロドロ、ノンノンノンノン。」
黄金《きん》の熔岩《ようがん》、まっ黒なけむり。
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「フィーガロ、フィガロト、フィガロット。
ペンネン
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