だ。みんなその支度《したく》をしろ。」
「かしこまりました。」
そこでペンネンネンネンネン・ネネムは、燕麦《オート》を一|把《わ》と、豆汁《まめじる》を二リットルで軽く朝飯をすまして、それから三十人の部下をつれて世界長の官邸に行きました。
ばけもの世界長は、もう大広間の正面に座って待っています。世界長は身のたけ百九十尺もある中世代の瑪瑙木《めのうぼく》でした。
ペンネンネンネンネン・ネネムは、恭々しく進んで片膝《かたひざ》を床につけて頭を下げました。
「ペンネンネンネンネン・ネネム裁判長はおまえであるか。」
「さようでございます。永久に忠勤を誓《ちか》い奉《たてまつ》ります。」
「うん。しっかりやって呉《く》れ。ゆうべの裁判のことはもう聞いた。それに今朝はこれから巡視に出るそうだな。」
「はい。恐れ入ります。」
「よろしい。どうかしっかりやって呉れ。」
「かしこまりました。」
そこでペンネンネンネンネン・ネネムは又うやうやしく世界長に礼をして、後戻《あともど》りして退きました。三十人の部下はもう世界長の首尾がいいので大喜びです。
ペンネンネンネンネン・ネネムも大機嫌《だいきげ
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