というものを建てたり、いろいろなことをしています。
 以上は、まあ、ビジテリアンをその精神から大きく二つにわけたのでありますが、又一方これをその実行の方法から分類しますと、三つになります。第一に、動物質のものは全く喰べてはいけないと、則ち獣《けもの》や魚やすべて肉類はもちろん、ミルクや、またそれからこしらえたチーズやバター、お菓子《かし》の中でも鶏卵《けいらん》の入ったカステーラなど、一切いけないという考の人たち、日本ならばまあ、一寸《ちょっと》鰹《かつお》のだしの入ったものもいけないという考のであります。この方法は同情派にも予防派にもありますけれども大部分は予防派の人たちがやります。第二のは、チーズやバターやミルク、それから卵などならば、まあものの命をとるというわけではないから、さし支《つか》えない、また大してからだに毒になるまいというので、割合|穏健《おんけん》な考であります。第三は私たちもこの中でありますが、いくら物の命をとらない、自分ばかりさっぱりしていると云ったところで、実際にほかの動物が辛《つら》くては、何にもならない、結局はほかの動物がかあいそうだからたべないのだ、小さな
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