どもの水を呑《の》むように肥を吸い込むのでしょう。もうほんとうにそうでなければならないから、それがただひとつのみちだからひとりでどんどんそうなるのです。
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(コロナは十万八千二百
 ※[#ト音記号、54−7]‥‥‥
 ※[#ト音記号、54−8]‥‥‥                    )
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 こんどは帰りはわたくしたちは近みちをしてあの急《きゅう》な坂《さか》をのぼりましょう。あすこの坂なら杉《すぎ》の木が昆布《こんぶ》かびろうどのようです。阿部君《あべくん》、だまってそらを見ながらあるいていて一体何を見ているの。そうそう、青ぞらのあんな高いとこ、巻雲《けんうん》さえ浮《うか》びそうに見えるとこを、三羽の鷹《たか》かなにかの鳥が、それとも鶴《つる》かスワンでしょうか、三またの槍《やり》の穂《ほ》のようにはねをのばして白く光ってとんで行きます。
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(コロナは三十七万二百
 ※[#ト音記号、55−1]‥‥‥
 ※[#ト音記号、55−2]‥‥‥                    )
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 おや、
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