、一つも編んでやらないぞ。」お母《っか》さんが少し怒って云いました。
「うん。けれどもおいら、一日噛んでいたようだったよ。」
タネリが、ぼんやりまた云いました。
「そうか。そんだらいい。」お母《っか》さんは、タネリの顔付きを見て、安心したように、またこならの実を搗きはじめました。
底本:「ポラーノの広場」新潮文庫、新潮社
1995(平成7)年2月1日発行
底本の親本:「新修宮沢賢治全集」筑摩書房
入力:久保格
校正:鈴木厚司
2003年8月3日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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