おきなぐさ
宮沢賢治
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)植物学《しょくぶつがく》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)大|経営《けいえい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、底本のページと行数)
(例)毛※[#「※」は「草かんむり」+「艮」、第4水準2−86−12、5−14]科《もうこんか》
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うずのしゅげを知っていますか。
うずのしゅげは、植物学《しょくぶつがく》ではおきなぐさと呼《よ》ばれますが、おきなぐさという名はなんだかあのやさしい若《わか》い花をあらわさないようにおもいます。
そんならうずのしゅげとはなんのことかと言《い》われても私にはわかったようなまたわからないような気がします。
それはたとえば私どもの方で、ねこやなぎの花芽《はなめ》をべんべろと言《い》いますが、そのべんべろがなんのことかわかったようなわからないような気がするのと全《まった》くおなじです。とにかくべんべろという語《ことば》のひびきの中に、あの柳《やなぎ》の花芽《はなめ》の銀《ぎん》びろうどのこころもち
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