『注文の多い料理店』広告文
宮沢賢治
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)山猫《やまねこ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)北斗《ほくと》七|星《せい》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)アリスガ[#「ガ」に「ママ」の注記]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)だん/\
−−
イーハトヴは一つの地名である。強て、その地点を求むるならばそれは、大小クラウスたちの耕してゐた、野原や、少女アリスガ[#「ガ」に「ママ」の注記]辿つた鏡の国と同じ世界の中、テパーンタール砂漠の遥かな北東、イヴン[#「イヴン」に「ママ」の注記]王国の遠い東と考へられる。
実にこれは著者の心象[#「著者の心象」に白丸傍点]中にこの様な状景をもつて実在した
ドリームランドとしての日本岩手県である。
そこでは、あらゆる事が可能である。人は一瞬にして氷雲の上に飛躍し大循環の風を従へて北に旅する事もあれば、赤い花杯の下を行く蟻と語ることもできる。
罪や、かなしみでさへそこでは聖くきれいにかゞやいてゐる。
深い掬
次へ
全8ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
宮沢 賢治 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング