虹猫の大女退治
宮原晃一郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)木精《こだま》の国

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)六|疋《ぴき》の竜

[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)くさめ[#「くさめ」に傍点]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)大きな/\野原
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 木精《こだま》の国をたつて行つた虹猫《にじねこ》は、しばらく旅行をしてゐるうち、ユタカの国といふ大へん美しい国につきました。
 こゝはふしぎな国でした。大きな森もあれば、えもいはれぬ色や匂《にほ》ひのする花の一ぱいに生えた大きな/\野原もありました。空はいつも青々とすみわたつて、その国に住まつてゐる人たちはいつも何の不平もなささうに、にこ/\してゐます。でも、たつた一つのことが気にかゝつてゐるのでした。
 そのわけは、この国のまん中の、高い岩のがけの上に、一つの大きなお城がたつてゐます。そのお城には――土地の人たちが虹猫に話したところによると――一人の悪い大女がゐて、この国の人たち
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