英語の Great Grandmother、ドイツ語の Urgrossmutter に當ります。白髮の老婆が爐邊に絲車を廻しながら昔話をするやうに古い/\傳説を語る此の本も、また高齡の老婆であるといふ意味から附けられた題であらうといふのが一つの解釋でありますが、それとはちがつて、これは「作詩法」といふ第二の意味を取つてつけたもので、そのわけは新エッダはイスランドの歴史家で、詩人であつたスノルィ・スツゥルソンがスカルド Skald とよぶ歌の作法、模範などを示したものであるが、その中にひいてある歌には舊エッダのものがまじつてゐる。だから、斯ういふ歌を集めた本をエッダといふものと、後の人が誤つたものであらうといふ説もあります。どちらが正しいか分りませんが、ノルウェイ協會から出してゐる古代ノルウェイ語の辭典には、第一に大祖母、第二に詩學といふ解釋が載つてをります。私一個としては此の大祖母の意味に解した方が文學的で面白いと思つてをります。
 そこで舊い『エッダ』は一六四三年イスランドのスカルホルトの司教ブリニュルフ・スヴェインスソン Brynjulf Sveinsson が神話と古英雄の傳説と
前へ 次へ
全34ページ中5ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
宮原 晃一郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング