ラマ塔の秘密
宮原晃一郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)白馬《はくば》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)又|誰《だれ》か
[#]:入力者注 主に外字の注記や傍点の位置の指定
(例)ひやり[#「ひやり」に傍点]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)なか/\大きく
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一 白馬《はくば》の姫君
「ニナール、ちよつとお待ち」と、お父様のキャラ侯がよびとめました。ニナール姫は金銀の糸で、ぬひとりした、まつ赤な支那服《しなふく》をきて、ブレツといふ名のついたまつ白な馬にのつて、今出かけようとするところでした。
「なんですの、お父様」と、ニナール姫はふりかへりました。
まだ十五になつたばかりですから、顔はほんの子供ですけれど、身体《からだ》はなか/\大きくて、まるで大人のやうでした。
「今日は、お前、ジウラをつれて、山へあそびに出かけるはずだつたぢやないか。それだのにどうして、ひとりで、馬にのつて出かけるの」
ニナール姫は、赤い花が咲いたやうにパツと朗らかに笑つて、金の拍車をチャラ/\と
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