さなければならないんでしょう? すぐ、あの恐ろしいゴーゴン達を捜しに行った方がよくはないでしょうか?』
『いや、いや、』と彼の友達は答えました。『君はゴーゴン達の居る所へ行く迄には、ほかにいろんなことをしなければならないんだ。さしあたり、これらのおばあさん達を捜すほかないのだ。そしてわれわれが彼等に出遇えば、もうゴーゴン達からあまり遠くない所へ来たと思って間違いないんだ。さあ、出かけようじゃないか!』
 パーシウスは、この時までに、彼の道連れのかしこさを大変頼みに思うようになっていましたので、もうその上文句は言わないで、すぐにでも冒険旅行に出かけていいと答えました。そこで彼等は出発しました。そして可《か》なり速い足どりで歩いて行きました。それが実際また、あまり速かったので、パーシウスは足早《あしばや》の友達クイックシルヴァについて行くのが、少し難儀《なんぎ》になって来ました。実をいうと、彼はクイックシルヴァが翼の生えた靴をはいていて、勿論そのおかげで、彼の足が不思議に早いのだというような、妙なことを考えたのです。それからまた、パーシウスが目の隅っこから、横目でクイックシルヴァを見ると、
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