だんだんおりて行きました。そして山の頂《いただき》の上にうかぶ雲を利用して、身をかくしました。雲の上について飛びながら、その端からのぞいて、ビレラフォンはかなりはっきりと、リシアの山の多い部分を見渡すことが出来、また蔭になった方々《ほうぼう》の谷の中も一度に見ることが出来ました。最初は別に変ったものは何も見えませんでした。それは荒涼とした、未開の、岩ばかりの、高い切立ったような山つづきの土地でした。その国のもっと平坦な部分には、焼かれた家の跡があり、牧野《ぼくや》には、そこで草をたべていた家畜の死骸が、あちこちにごろごろしていました。
『カイミアラがこんな害をしたものに違いない、』とビレラフォンは考えました。『しかしその怪物は一体どこにいるんだろう?』
 僕がさっき言ったように、最初見た時には、切立ったような高い山の間にある、どの谷間にも峡谷にも、別に目立ったものは何も見つかりませんでした。全くなんにもありません。ただ、たしかに、洞穴《ほらあな》の口みたいなところから湧き出して、しぶしぶと大気の中に立ち昇る三すじの黒い煙があるにはありましたが。山の頂《いただき》へ届くまでに、これらの巻
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