、いかにもおいしいといったように、静かにちょっと休んだりしながら、水を飲みました。それから、また一杯、また一杯、また一杯。というのは、世界のどこへ行っても、雲の中をどう捜しても、ペガッサスには、ピリーニの水ほど気に入った水はなかったからでした。そして、喉の渇きがなおると、うまごやしの甘い花を少しばかりむしって、お上品にたべてみました。しかし、こんな平凡な草よりも、ヘリコン山の高い中腹の、雲のちょっと下あたりの草の方が、彼の口にはずっとよく合っているので、お腹《なか》一ぱいにたべる気はありませんでした。
こうして心ゆくまで水を飲み、そして、贅沢屋がうまいものだけちょっと味を見るといったような、草の食べ方をしてから、この翼のある馬は、あちこちはね廻ったり、まるで退屈半分、遊び半分みたいに踊ったりしはじめました。このペガッサスほど、飛んだり跳ねたりするのが好きなものもありませんでした。だから、考えただけでも気持がいいくらい跳ねまわって、その大きな翼を、紅雀《べにすずめ》も及ばないほどの軽さで、ばたばたさせたり、半分は地上を、半分は空中をといった風に、一体飛んでいるのか駆けているのか分らない
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