ぐり合ったものとして、仕合せに思ってくれるだろう。まあ聞いてくれ、パーシウス、わしは美しいヒポデイミヤ姫と結婚しようと思っている。ところが、こうした場合、花嫁に対して何か遠い国から持って来た美事《みごと》な珍品を贈るという習《ならわし》になっている。正直なところ、わしは彼女のようなすぐれた趣味を持った姫の気に入りそうなものを、何処で手に入れたものかと少々困っていた。しかし今朝になって、それにうってつけの品物を思いついて、われながら得意になっているのじゃ。』
『して、それを手に入れますについて、私が陛下のお役に立つことが出来ますでしょうか?』とパーシウスは熱心に叫びました。
『出来る――もしお前がわしの信じているほど勇敢な若者であったなら、』とポリデクティーズ王は、この上もなくやさしい調子で言いました。『わしが是非美しいヒポデイミヤに捧げたいと思っている婚礼の贈物は、頭に蛇の髪が生えたゴーゴン・メヅサの首じゃ。そしてパーシウスよ、わしはお前の力でそれを取って来てもらいたいと思っている。そんなわけで、わしは姫との話を取りきめたいと熱望しているので、お前がゴーゴンを探しに出かけてくれるのが早
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