った普通の土焼の壺と、ちっとも変らないものになってしまったのさ。』
『ああつまんない!』と、子供達は一斉に叫んだ。
 犬のベンは、もっともらしい顔をして、一行のお供をしていたが、今日は、ニューファウンドランド種の大分大きくなった仔犬も一しょにお供をしていた。この方は、ちょうど熊のように黒かったので、熊公《ブルイン》の名で通っていた。ベンは相当年も取っていたし、たいへん用心深いたちでもあったので、従兄ユースタスは、四人の小さな子供達に何事もないように、番をするため、御苦労ながら彼等の傍に居残ってもらうことにした。黒い熊公《ブルイン》の方は、それ自身がまだほんの仔犬だから、子供達に、めちゃにじゃれついて、彼等の足にからみついて、山からごろごろところがり落ちさせたりしてはいけないというので、ユースタスは自分で連れて行くのが一番いいと思った。カウスリップとスウィート・ファーンとダンデライアンとスクォッシュ・ブロッサムとに、ここにおいて行くから、なるべくじっと坐って待っているようにと注意して、ユースタスはプリムロウズその他の大きい方の子供達をつれて、また丘を登りはじめたが、まもなく木立の中へ消えて行った。
[#改丁]

     禿げた頂上
       ――「カイミアラ」の話の前に――

 ユースタス・ブライトと連れの子供達とは、急な、森になった丘の中腹を、どんどんと上の方へ登って行った。木はまだ青葉にはなっていなかったが、芽は既にうすい影を落すくらいには萠《も》え出ていて、一面に日の光をうけて緑色に輝いていた。古い、茶色の落葉に半ば埋《うず》まった、苔むした岩があった。ずっと以前に倒れたままの場所に、長々と横たわっている腐った木の幹があった。冬の嵐に振り落されて、そこら中に散らばっている朽ちた大きな枝があった。そうしたいろいろのものは、大変古く見えているにもかかわらず、森はやはり、今生れ出たばかりの生命の姿だった。というのは、どっちへ目を向けても、生々《いきいき》とした、緑色のものが芽を吹いていて、今にも夏を迎えようとしていたから。
 とうとう、ユースタスと子供達とは、森の上のはずれまで辿りついて、ほとんど丘の頂上へ来たことを知った。この丘の頂上は、尖《とが》った峰でもなく、大きな円味《まるみ》を持った天辺《てっぺん》でもなく、かなり広い平地、つまり高台になっていて、少し
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