劣なるごろつきを自分は徹頭徹尾憎み度い。同時にこれらの下劣なるごろつきの日常爲しつゝある惡行を、寧ろ奬勵してゐる新聞社主の如きも、人間社會に對する無責任の點から考へれば、等しく下劣なる賤民である。自分は單に自分自身迷惑した場合を擧げて世に訴へようとするのではない。それよりも一般の社會に惡を憎み、これに制裁を加へる事を要求鼓吹し度いのだ。
 根も葉も無い捏造記事の爲に、幾多の家庭の平和を害し、幾多の人々の社會生活を不愉快にし、幾多の人の種々の幸福を奪ふ彼等の行爲を世間は何故に許して置くのか。
 繰返して云ふ。自分は新聞記者を心底から憎む。馬鹿馬鹿馬鹿ッ。その面上に唾して踏み※[#「足へん+爛のつくり」、23−11]《にじ》つてやる心持で、この一文を草したのである。(大正六年十二月十七日)
[#地から1字上げ]――「三田文學」大正七年一月號



底本:「水上瀧太郎全集 九卷」岩波書店
   1940(昭和15)年12月15日発行
※底本p9−12で「思はれのは」となっていたところは、1958(昭和33)年 10月25日発行の底本第2刷を参照して「思はれるのは」に直しました。
※底本は、物
前へ 次へ
全27ページ中26ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
水上 滝太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング