る市町村吏員会の幹事の方がお見えになり、「自分は過般木曾での会合に直接話を聴いた一人であるが、ああいった話をわれわれにだけでなく、吏員の全部で聴きたい。ついては幸い、こんどそれらの人の総会があるからそれに出席するように」との案内を受けた。
ところが幸い、さらにまたそれが起因となって、その吏員の総会に出席された某村長氏の厚意により、その村の青年会と農会との共同の会合に出席する機会を与えられた。もちろん話の内容は、それが時に全信州であったり、全諏訪であったり、時には単にその一町村だけであったりしたから、その広狭に応じてできるだけ実際的の、すなわちその時の聴講者の直接実見・観察のできるいわゆる実例をなるべく多く提供することにし、演題もその都度変えては臨んだが、自分の使命達成、言い換えれば「風土性に対する認識並びに理解の向上普及」という点が中心であったことについては寸分の変りはなかった。
要するに、如上の講演要項によっても窺知できるように、なにもとくに珍しい見方・考え方を発表したわけではなかった。私としてはきわめて当然な普通な、考えようによっては平凡な発表であるにもかかわらず、かく多数の方
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