引上げた。
控室には会長、副会長を初め三、四幹事の方々がお見えになっただけであった、話はただいま会場でお話したそれについて、それを中心に、さらに具体的・実際的・地方的へと次第に深入りをするようになり、またそれだけ興味も加わり、ついに講演前私の観察しておいた、福島町郊外にある夏季の卓越風による柿の木の特殊な樹景およびそこの空中湿度によるその柿の木の幹にできている「スギゴケ」の実地見学に出かけるというところまで進んでしまい、いずれも、とくに当日は多忙の方々であったにもかかわらずその貴重な時間を割いて、共に野外にまで立っていただくということになった。
しかも、それだけではない。ついに会長が、その御郷里においては、村長と農会長とを兼ねておられるというので、その村の風土調査に実地に携わるようにとの重任までもお引受けするようになってしまった。きわめて粗末な講演ではあったが、とにかく、少なくとも幹部の方々のいくぶんの共鳴なりを得たことは確かであった。
ところがその後、約一ヶ月も経ってからのことであったと記憶するが、たまたま今私の在住しているこの諏訪郡およびそれに含まれた岡谷市とからなる、いわゆ
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