に私は、かの世界的英傑としておそらくどなたでもが承知し、かつその人自身でさえ「自分の辞書には不能という言葉はない」とまで言っておったと言い伝えられているそのナポレオンが、「あらゆる病気というものはわれわれ人間が素直に自然に順わなかった結果で、したがって一度病気にかかったならば、素直に自然に順っているに限る」といった意味のことを言い残しているということを聞きましたが、さすがのナポレオンも大自然には従順であったのか、もちろんそうあるべき、またなくてはならないわけであります。が、実はナポレオンの偉大も、その真の偉大である大自然を日常ひそかに、その背景として持っておった、その反映ではなかったかと私には頷かれる点があるのでございます。そういったことを御参考までにここに申添えておきたいと存じます。
まことにまとまりのつかない、しかもくどくどしいお話を申上げました。なんとも恐縮に堪えない次第でございます。しかるに、それにもかかわらず長い間御清聴を頂きましたことに対しまして、深く感謝をいたしまして、この壇を下ることにいたします。
あとがき
病後初めて演壇へ立ったことではあり、そ
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